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鮭延四五十騎の鼻をならべ、切先を揃えて駆ければ、会津勢取囲んとや思ひけん。陣を奮しが、鮭登少も猶予せず縦横に破り、巴に追廻し、前後を払て突伏せ、切倒せば、流石に聞こえし会津勢も一陣、二陣混乱して、既に直江が旗本迄近付く。中にも鮭延左衛門尉いまだ十六歳の若者なれども、力尋常に勝れしが、大音揚げて「敵の大将を組留よ。直江はあれに見ゆるぞ。兼続が旗は夫ぞ」。と喚き叫んで駆けちらす。其勢ひ悪源太義平が勇力にも勝るべくぞ見えにけり。敵三人を突落し、手疵負せしは数を知らず。我身も六ケ所疵を蒙り、同新田十助五人を突伏せたり。越前守は三尺五寸の太刀を片手にとりて、胄の鉢を割付け、篭手、臑当、草摺ともいはず当るを幸に切て落す。
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